錦織圭の強さと“新時代のテニス”考察
今年の全米オープン準優勝から今回の楽天ジャパンオープン優勝とついにランキング5位以内、いやなんなら1位も夢ではないんじゃ・・と思わせるほど強くなった錦織圭。
でそのころから松岡修造がやたら言ってる
『圭は今、誰もマネの出来ない新時代のテニスをしてる!!(熱)』
という言葉。
当初これを聞いたときは「またまた修造さんが熱くなってはる」なんて半笑いだったんだけど、今回の楽天ジャパンオープンの試合を見て、その錦織の強さと彼のする新時代のテニスが分かった気がする。
今の主流となってる現代テニスとは
とその前にまずは現在の主流である現代テニスの特徴を考察してきます。
現代テニスでキーとなっているのは
①ベースラインでの安定かつ強力なストローク力
②そのストロークでどれだけ左右に振られてもブレないフットワーク力
の2つでそれまでのサーブアンドボレーが主体だった過去の攻撃的なテニススタイルからより守備とカウンターが洗練されたのが現代テニスだといえます。
おおまかな戦術の流れでいうと
・強力なサーブで相手の体勢と返球を崩しそのまま早いタイミングで返球できるボレーで決める、とにかく“前”へポジションをとることの優位性に特化した攻撃型スタイルが過去のテニス
・ストロークの技術が飛躍的に進化したことで上記のサーブアンドボレーに対してカウンターが取れるようになり、不用意に“前”へポジションを取ることが危険に。結果ベースラインでの“後ろ”でのストローク戦が主体となった守備型スタイルの現代テニス。
というような変化を辿っていったと。
ではそれを踏まえて・・・
錦織のする“新時代のテニス”とは何なのか
それは
ベースラインで半歩コート内に踏み込むことができるポジショニングのテニス
これが今の錦織の誰もマネの出来ない次元のテニスなんだと思うのです。
サーブアンドボレーの“前”へのテニスからストローク戦と激しいフットワーク主体の“後ろ”でのテニスへの変化が現代テニスとするのなら、その“後ろ”、ベースライン上で半歩“前”へ出て攻めることが出来るのが今の錦織の強さでありこれが“新時代のテニス”なんじゃないかと。
ただ半歩前に出るといってもそのタイミングを間違うと相手の深いボールに対応できなくなり一気に形成逆転されてしまう実は非常にリスキーな行為。しかし錦織はショット一球一球に対する天性の嗅覚と誰よりもテニスを知っている(修造談)テニスIQの高さで“後ろ”から半歩“前”へ出るわずかな攻めの兆しをコンマ何秒の世界で判断し他の選手よりも早いタイミングで守から攻へ転換できるテニスを身につけたのです。
現代テニスをフィジカル重視のテニスと置き換えるなら、錦織の今のテニスはさらにその上に半歩のポジショニングの駆け引きという知能のテニスを上乗せしたまさに“新時代のテニス”の名にふさわしいテニスをしてるんだと思います。
これは錦織はん、マジでTOP3入りあるで!