遊戯王らぼ

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代々木ゼミナールの大規模閉鎖からみる塾・予備校業界の変化

代ゼミ凋落の原因を調べていくと今の塾・予備校業界が見えてくる!っていう記事です。

 

なぜ代ゼミは凋落したのか

塾業界が少子化のあおりを受けてもう大変!というのはずいぶん前から言われてきたことですが、塾の数自体は年々増えていってるんですよ。

つまり代ゼミ少子化という問題以上に塾業界の変化に追いつけず、今回の件にまで至ってしまったのではないかと。そしてその原因は以下の二つなんじゃないかと思うのです。

 

浪人生の減少

一昔前、駿台予備学校河合塾代々木ゼミナールが三大予備校と言われ幅を利かせてた時代はまだまだ学歴(大学名)崇拝時代でそのためなら浪人も当たり前、というか普通は浪人しますくらいの認識で、予備校は浪人生の通う学校として名物講師一人が100人単位の生徒を教える大人数授業が成り立っていたわけです。

この時代の肝は“浪人するのが当たり前”という社会的風潮があったこと。だからこそ大量の浪人生を抱えることができた三大予備校が大きな利益を得ることができたのです。

しかし、時代は流れ企業は学歴重視よりも“人”重視での新卒採用をするようになると以前のような絶対的な学歴神話はなくなり無理をしてでも浪人することの必然性が薄まってきました。それに伴い現役合格を掲げた学習塾が人気を集めだし、三大予備校もこれに迎合していく流れに。

“浪人するのが当たり前”の時代は終わりをつげ、どれだけ確実に現役合格させられるかのニーズが強くなっていきました。しかし、現役合格されることは予備校にとって経営的な面では全く喜ばしいことではなかったのです。これまでは現役+大量の浪人で成り立っていた予備校の図式が“浪人はできるだけ避け現役合格に”の流れになることでその大半を占めていた“浪人生”を失ってしまったのです。

 

個別指導塾の台頭

三大予備校の時代までは学習塾・予備校は専門的なプロの講師が教えることが普通でした。そしてその限られたプロの講師を囲い込むことで三大予備校は大きな力をつけていったのです。

しかし、個別指導塾という存在がこの枠組みを破壊してしまったのです。

個別指導塾とは言ってしまえば家庭教師をそのまま塾に持ってきたようなもので、実際個別指導塾で教えている講師はほぼ100%大学生のアルバイトです

しかし、そんな個別指導塾にも大きな功績があって、それはこれまで個人間の契約で閉鎖的だった家庭教師というフォーマットを教室化・法人化することで非常に開けた、敷居の低いものにしたこと。そもそもマンツーマンで教えるということ自体が生徒やその親からしても魅力的なわけで、特に学校やこれまでの塾のような集団授業についていけない生徒の新たな受け皿としても大きな需要を持っていました。

 

そして何より大きかったのが、プロの講師でなくていいこと小さな教室で運営できてしまうことでした。小さなビルのワンフロアに机と椅子を並べてその周辺に住んでいるそこそこの学歴の大学生を数人雇うだけで個別指導塾はできてしまうんです。この塾のコンビニ化を可能にしたことで個別指導塾は地域密着の小さな教室としてその数を異常な速度で増やしていきました。

 

これにより塾そのものの絶対数が大幅に増え、さらに個別指導塾が一般化してくることで、従来の大人数授業というやり方にも疑問の目がもたれるようになり、集団授業でも少人数制という流れが大きなニーズを持つように。しかし、少人数授業ということは講師当たりの生徒単価が低くなるということでもあり、これまで100人を1人の講師でまかなっていたのが、20人を5人の講師へと切り替えれば単純に講師を雇う人件費が5倍になるという計算で、予備校側からしたらたまったもんじゃない。

 

このように少子化に加えて相対的な浪人生の割合も大幅に減り、個別指導塾という安易な量産型が増えて少人数化のニーズとプロの講師の人件費の兼ね合いにより大量の生徒を囲い込むことが難しくなり、従来の大型予備校のままでは死んで当然とうい今の塾業界のあおりを代ゼミはもろに受けた格好になったわけなのです。