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“つまらない・おもしろくない”要素が実はすべて伏線!? 単なるスプラッターアニメではないBLOOD-Cの魅力

映画・小説・漫画・アニメのような“物語エンターテイメント”を楽しむ上で当然その作品がおもしろい・魅力的だと感じることにこしたことはありません。ストーリーがおもしろく、キャラクターに実在感があり、作品世界に魅力がある。当然おもしろいと感じる要素がいかに多く、つまらないと感じる要素がいかに少ないかが良い作品と呼ばれるものの絶対条件であり、それ以外はありえないと小生は今まで信じて疑いませんでした。

そう、この作品を観るまでは

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BLOOD-Cというアニメ

2011年にテレビ放送されたアニメ『BLOOD-C』。このアニメのジャンルをひと言で言うと『とにかく血がドバドバ出て、周りの人間が残虐な死に方をしまくる女子校生と怪物のスプラッター系バイオレンスアクション』といった感じ。ある意味これだけで一定の需要は掴めそうなジャンルの作品ではあります
ただ、この作品の真の魅力はそこではないのです。

 

残虐シーン以外はとにかく“つまらない”

そう感じれるかがこの作品の主題、面白さを真に理解できる人の条件で、特に第3話までの一連の流れを観て『これ、どこがおもしろいの?観るのが苦痛』と思える人ほど絶対にラストまで鑑賞することをおすすめします
ちなみにスプラッター視点なら、もがれた生首の断面図までしっかり見れる第6話と学校内でクラスメイトのほぼ全員が惨殺される第9話となかなか見ごたえのあるシーンがあるので、終盤まではそれらのシーンをモチベーションにどれだけつまらないと感じても観続けましょう。

 

これまでの“つまらなさ”が一気にカタルシスへと変わる最終第11話、12話

そしてこの物語の種明かしがされる第11話。その種明かしにより、これまでのこの作品の日常シーンを“つまらない”と感じていた視聴者ほど実はこの作品の真の姿が“見えていた”というカタルシスに打ち震えてしまうのです。“つまらない・おもしろくない”要素こそが実はすべて伏線だったのであり、そう感じることこそがこの作品の世界を理解していることと同義だったのだと。そして第12話での最後のスプラッター祭り。これまでの靄のかかったような、ともすれば偽善的でもある一面的で良さ「げ」だった世界が突然露悪的に反転し、そのすべてを壊し・殺すという開放。これをカタルシスと言わずになんという。やりすぎなくらいの絵図らのグロさもこの気持ちよさに拍車をかけてくれます。

おもしろさを積み上げて気持ちよく終わらすことこそ良いアニメという小生の認識を完全に裏切ってくれたこの作品。BLOOD-Cは物語エンターテイメントに蔓延っている“つまらない”要素を意図的に積み上げ、ラストにそれを反転させるカタルシスで、まさにそういった“つまらないまま”終わってしまう作品とそれに満足してしまっている視聴者に対するアンチテーゼともとれる非常に残酷でそれでいて気持ちのよい作品なのでした。


でもこんな作りじゃリアルタイムでの視聴率は悪かったんだろうな。。。

 

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