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漫画第1巻選手権があれば総合優勝できる!アイアムアヒーローのおもしろさ

JUNKPodcastでよく流れるビッグコミックスピリッツのCMに見事にステマされ、そんなにおもしろいのならと読んでみました、アイアムアヒーロー

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いわく、「漫画1巻選手権があれば優勝する」くらいとりあえず一巻がスゴイとのこと。小生はその1巻から見事に現在発行されている最新13巻まで一気読みしてしまったわけですが、今回はそんな『アイアムアヒーロー』の1巻の“すごさ”について記事にしていきたいと思います。

 

第1巻の“第一話”と“ラスト数ページ”のヤバさ

作品名はキャッチーなこの漫画ですが、中身はそんなキャッチーさとは見事に間逆、第1巻の第一話からあらゆる読者のあらゆる予想を裏切った物語の始まり方をするのです。もうここまでで漫画第一話選手権があれば優勝できるレベルのクオリティ。そしてその1巻のラスト、これがまたなんともね、、すごい!当然漫画の第1巻の終わり方選手権でも間違いなく優勝です。というかこの終わり方を観て2巻に手を伸ばさない人などいるのでしょうか?いいえ、いません。
といった感じで始まりと終わり方のフックが最高なアイアムアヒーロー第1巻。ただ、この作品の1巻が優れているところは実はここだけではありません。

 

読者にとってのリトマス紙としても非常によく出来ていた第1巻

この漫画は誰が読んでもおもしろいといった類の漫画ではありません。人間の本当にどうしようもない負の部分、弱さ、醜さに焦点を当てていて、少年漫画のような友情・努力・勝利のような性善説的なものは一切ないし、人生が満たされているリア充さん方も読む必要がない漫画です

この漫画の1巻は実はこの作品での物語が“始まるまで”の日常の話であり、この作品唯一の平和な日常を描いているはずなのに、そこでの主人公とその周りの人間たちは本当にどうしようもなく醜いダメ人間ばかり。しかもそれをギャグとして描いているわけでもなく、ひたすら現実的に、かといって同情させるようなこともなく突き放すように淡々と描いている。で、この作者はそういった人間の負の側面の模写がうますぎる。おかげで小生のようなリアルダメ人間は半泣きになりながら共感しまくってしまうわけです

このように主人公をはじめとたキャラクターの造詣、人間というものの捉え方、世の中に対する視点を含めたこの漫画のスタンスというものを第1巻の日常を通してこれでもかというほどビターに読者に確認してくるわけです。『あなたはこの漫画の人間観に共感できますか?』と。そしてあえて露悪的なほどそういったスタンスを読者に対して明示することでこの1巻が2巻以降の“物語”を楽しめるかのリトマス紙の役割にもなっている。
そういった意味でも理想的な出来の1巻になっているのです。・・・うーん、良く出来すぎ!


当然2巻以降も、というか2巻からが本番なアイアムアヒーローなわけですが、2巻以降のストーリーを少しでも語ってしまうと一気に1巻のおもしろさが半減してしまうため、未読の人に対してはどういうストーリーなのか非常に説明しずらいこの漫画。
まあそこも込みで「とりあえず1巻を読め」とおすすめできる漫画選手権があれば優勝する漫画でもあるわけです。

 

アイアムアヒーロー 1 (ビッグコミックス)

アイアムアヒーロー 1 (ビッグコミックス)